思えばずっと気になっていたのだ。
県道370号線を高野山方面へと車を走らせていると見えてくる「きみの自然体験館」の看板が。
気になるなら入りゃいいやん。まさにその通りなのだけど、生来の腰の重さからか後回しにしていて、2年も経過してしまった。
すると先日、地域新聞「わかやま新報」さんの一面に『レプリカをつくる博物館』と名称を変更して開館、という情報が載っているではないか。
というわけで、早速行って来ました。
『レプリカをつくる博物館』は、博物模型製作を専門とする「アンフィ合同会社」が2023年1月より「きみの自然体験館」として運営を開始。2025年9月に「レプリカをつくる博物館」に改名し、登録博物館に認定されて製作・収集を続けている資料を無料公開している。
同社は博物館や動物園、水族館の展示物を製作する模型専門会社として2018年に設立。3D技術と専用機器を使い、専門チームが精巧な模型製作に取り組んでいるのだ。
子どもの頃から模型好き、立体物好きの私こと編集M、うきうきしながら館内に足を踏み入れたのはいうまでもない。
展示室はレプリカに関する解説からスタート。3Dスキャナなどの専用機材の展示を見ながら、レプリカ製作のプロセスを学ぶという流れ。ちなみにお隣の模型製作室では、3Dプリンターからの出力作業やエアブラシを用いた着色作業を窓越しに見学できるのだ(撮影はNG)。プラモデル製作が好きな人ならずとも必見でっす。

行ったり来たりしましたが、再び展示室に戻りましょう。ここでは紀美野町などに生息する生き物を紹介。骨格標本や、X線CTで撮影された動物の骨格レプリカ、周辺に生息する昆虫の展示、動物のはく製を展示しています。真顔で見つめるはく製たちは怖くもあり、可愛げもあり。でもこれが野生のリアルなのよね。
一方で骨格標本は触るとポキッと折れそうなくらい繊細で、じっくり観察するとその精密さに驚くはず。展示物は頻繁に入れ替えを行うそうで、来館の度に新たな楽しみと出会えるのがうれしいところだ。
大広間的な展示部屋にもはく製や骨格模型が展示されているんだけど、はく製たち、かなり大きくて圧倒されます(汗)。夜、1人だったら怖くて入れない…。本棚に揃う自然科学系の専門書は自由に閲覧OK。


模型に着色できる体験イベントや、ビオトープでの生き物調査・環境整備といった参加型イベントなども随時実施。興味のある人は公式サイトをチェックしてみてください。

模型の直接販売もあります。おそらく他所ではお目にかかれない骨格模型も買えるのだけど、これがまたリアル! どんな生き物なのかはわからないけど、フィギュア好きとしては収集癖をくすぐられたよ。

ガチャもありましたよ
当たり前のように博物館で目にする生き物の立体物。製作する上で本物に近づけるためには、専属スタッフの学術的知識や見識に依るところも大きいそうです。
最新機器と専門知識をフル活用してレプリカを製作する意義を理解すると、展示物を見た実感や捉え方も変わってくるのかなと思います。来館したらまずはレプリカの作り方から閲覧することをおすすめします。
とにかく館内どこもかしこも見どころばかり! お子さんはもちろん大人も童心に戻ったようなワクワク感がよみがえること請け合いです。
というわけで、次回は代表を務める佐々木彰央さんへのインタビューをお送りします。
(つづく)
レプリカをつくる博物館
紀美野町神野市場78
TEL.073・488・5513
開館時間/10:00~16:00
休館日/月曜
入館無料

和歌山市側から車で来館する場合、左に見える建物を少し過ぎた辺りを左折して回り込むイメージです