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まるでテーマパーク! “まちのでんきやさん“上富田の『パナットフカミ』に行ってきた!

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まるでテーマパーク! “まちのでんきやさん“上富田の『パナットフカミ』に行ってきた!

「上富田町に面白い電気屋さんがあるよ」。

そんなタレコミがあったのは今から3年前。田辺市にある「西八丁珈琲店」さんが教えてくれたその店は『パナットフカミ』という、見た目はどこにでもあるような町の電気屋さん。しかし一歩店内に足を踏み入れると、とても電気屋さんとは思えない(←誉め言葉です)カオスな空間が広がっていたのでありました。

「まあ、ゆっくり見て行ってよ」
と、取材陣を迎えてくださったのは、深見のり子さんと三女の真希さん。『パナットフカミ』は昭和25年に創業。当時はたわしや下駄などの日用雑貨を販売していたが、数年後に田辺の取引先から「電池を置いてくれへんか?」と頼まれたことが、同店の前身である「深見電器」の始まり始まり。ご近所さんからの「あれ置いて、これ置いて」の要望に応えた結果、昭和50年頃の店舗には「深見電器商会」「深見商店」「深見酒店」の3つの看板が上がることになる。

時は移ろい、現在の店舗でもよろず屋さんの面目躍如。店舗の半分には「主役は俺たちだろ」といわんばかりに家電たちがどっかと陣取り、もう半分を占めているのが、暮らしに欠かせぬバイプレイヤー的商品たち。お菓子やお酒といった食品にはじまり、日用品が所狭しと並ぶ。

「お菓子を買いに来てくれていた子どもが大人になってウチで家電を買ってくれる。そういうのは嬉しいよなぁ」とのり子さん。

そんなデイリーユースの品揃えのなか、都市部のショップにディスプレイされているようなおしゃれな雑貨たちが! これこそパナットフカミの醍醐味。「まさか、ここにあるの!?」というアイテムが見つかったりする。最近ではインスタ効果で、雑貨目当てのお客さんも多く、田辺やみなべからも訪れるのだとか。なんとロクシタンの商品も入荷していたりする。

「この辺りは百貨店がないから、地域の方たちが少しでも安く購入してもらえたら。最近ではうちのインスタを見たお客さんが田辺やみなべからも来てくれます」と真希さん。訪れた人はじっくりチェックすべし。記念日の贈り物にもぴったりのアイテムもいろいろ揃っていますよー。また月に一度、真希さんの友人が経営している田辺のパン屋さん『Doh!』のパンと焼き菓子を店舗敷地内で販売。コロナ禍が落ち着けば、他業種とのコラボをもっと行いたいのだとか。

 

「じゃあ、会います?」。

…お、とうとうですか、まだ心の準備ができていないぞ(汗)。そう、パナットフカミは、かわいらしいインコちゃんたちが常駐していることでも有名なのだ。インコちゃん目当てで訪れる人も多いのだとか。

まず販売台上のゲージから開放されたのは、オキナインコの「平ちゃん」。平成31年に同店にやって来た看板インコなのだ。真希さんの指にのって大人しく佇む平ちゃん。外に出されると意外に大人しいのね。

続いて奥に案内されると、「よーちゃん」、「ちゅ~ちゃん」、「ひよちゃん」のオカメインコトリオが賑やかな鳴き声でお出迎え。なかでも、ちゅ~ちゃんはトトロの歌を練習中だとか。えっ、歌ってくれるんすか? でははり切ってどうぞ!

……とな……と…なりの……♪


今日は調子悪いみたいですね(汗)。でも断片的には聴こえてきましたよ。フルコーラスを拝聴するのは次の機会までとっておくとして、そもそもインコを飼い始めたきっかけは?

「もともとお父さんがチャボを飼っていて、その流れかな。初めてインコが我が家に来たのは30年ほど前でセキセイインコやったわ。家族で動物好きなんよ」とのり子さん。

販売カウンターには2年前に迎え入れたハリネズミのハリーちゃんが週一度やって来て、マスコット的に可愛いオーラを出しまくり、店の裏にある池では立派な体格の鯉たちが悠々と泳いでいる。まさに陸海空の生き物が勢ぞろいなのだ。自由に見学はできるけど、お店の方にちゃんと声をかけてね。

おっと、本業のことにも触れなければ。奥のオーディオコーナーはかなりシブい! お店の代表・深見宗孝さんの趣味であるジャズの名盤がディスプレイ。年代物の重厚感あふれるスピーカーが鎮座し、アラフォー世代でもギリ知らないかもしれないオープンリールも! ファンにはたまらない時間が過ごせるのだ。

特に力を入れているのが補聴器。西牟婁郡唯一の補聴器のスペシャリスト「認定補聴器技能者」が在籍していて、ライフスタイルに応じた補聴器を提案してくれる。店内には補聴器の効果を確認できる防音室もあり、安心して補聴器を購入できるのだ。年配の方が多く住む地域でもあるし、お年寄りには何から何まで頼りになる店だ。

さて、ひと通り見せてもらったし、ぼちぼち帰るべと撤収しようと思ったのだが、ある光景が目に飛び込んできた。入口にあったにもかかわらず、店内の賑やかさに気を取られていて全く気付かなかったぞ。この電球のようなキャラクターは何ですか?

「これはLINEスタンプ用にデザイナーさんに作っていただいたウチのオリジナルキャラクターなんです!」と真希さん。なんだか頭の形が、上富田の名キャラクター「ひょうたんせんぱい」に似ているような似ていないような(←こじつけ)。興味のある方はLINEスタンプで検索を。

そして驚くべきは、現在LINE公式アカウントも作成中とのこと。家電など悩みやトラブルに関する質問や訪問予約がLINEからできるという優れものらしいので乞うご期待!

地域から愛されている町の電気屋さんのほっこりエピソードから、SNSを駆使したイマドキなトピックスまで、まるでジェットコースターのような落差のある展開に、ただひたすら翻弄されまくり(笑)の楽しい取材でした。

「町の電気屋さんが、今の人たちにどれだけ便利か知ってもらい、家電や電気の悩みをもっとサポートしたい。これからも地域の魅力を家族、スタッフみんなで発信していきたいです」と意気込むパナットフカミの皆さん。子どもからお年寄りまでに愛される町の電気屋さんは、これからも地域に寄り添い続ける。

 

パナットフカミ
上富田町岩田1533-1
tel.0739472004
営/8:3019:00
休/日曜

http://panatfukami.co.jp/

※公式FacabookInstagramあり