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その波に乗って、知らない世界を旅しよう――原田佳夏・なかひらまい共著『波の地図』発売中

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和歌山では『名草戸畔 古代紀国の女王伝説』の著者として知られる、なかひら まいが絵と文を担当した『波の地図』がただいま発売中。映像・舞台・音声脚本、短編小説などを手掛ける原田佳夏との共著は「文化としての波」がテーマ。たくさんの文献資料をもとにした文章と楽しいイラストで構成され、肩の凝らないアート本としても楽しめる。

1章 「みえる波」リアルな波

2章「波のかたち」文様になった波

3章「波のすがた」比喩として表された波

4章「みえない波」物理の波

5章「地図になった波」全国の波のつく地名

 

5つの方向から見る波の森羅万象。知っているようで知らなかった波。心に疲れを感じたら、この本の波に乗ってみて。眺めているだけでもじわじわと効きますよ~。

 

【著者のコメント】

「波」は海に囲まれた日本に住む私たちにとって、珍しいものではない。何処の地域でも安全な湾にある港には街ができる。和歌山だってそうだ。近くの海岸に行けば「波」が見える。当たり前の日常だ。

その「波」を描こうと絵描き担当の、なかひらまいは、海や川に実際の波を見に行ってみたけど、波に形はなく絶えず変化していてどう描いたら良いものか、なかなか分からず試行錯誤した。波は捉えどころがないがゆえ、様々に捉えられているので、想像以上に広い意味があり、「波」とは何なのか、といわれると実はよく分からない。

そのよく分からない波を知るためにどうしたらいいか、構成と文章を担当した原田佳夏は悩んで「見える波(リアルな波)」「波のかたち(文様になった波)」「波のすがた(言葉になった波)」「見えない波(物理の波)」「波のある地名」という5つの切り口を考えた。

現代の社会では「意味の分からないもの」を切り捨てて効率ばかりを求めているけど、分からないもの、無駄なものを、楽しんだほうが、人生は楽しいのではないかと原田となかひらは考えた。その楽しさを見つけるための本がこの『波の地図』だ。

『波の地図』を眺めて「波」の世界を旅してもらえたら、著者2人とも、とても嬉しい。


原田佳夏・なかひら まい

 

『波の地図』
著者:原田佳夏・なかひら まい
判型:新書サイズ 製本:ハードカバー
発行:雷鳥社
価格:1650円(税込)
※和歌山市では「宮脇書店ロイネット和歌山店」で販売。

 

【著者プロフィール】

構成・文 原田佳夏
物語屋。「朗読歌劇そらのおと」座付作家。ユング心理学研究会理事。出身・大分の地元に材を取ったオリジナル作品など舞台脚本多数。講談台本も手掛ける。映画脚本『老親』(監督:槙坪夛鶴子/2000年)、著作『脚本を書こう!』(青弓社)、120字小説『すゆ噺』他。映像・舞台・音声脚本、短編小説等、「物語」を書き続けている。小劇団の座付作家を経た後、物語屋として独自の路線を歩む。

絵・文 なかひら まい
画家・作家。ユング心理学研究会理事。多摩美術家協会会員。セツ・モードセミナー卒業。著作『スプーの日記』シリーズ三部作(トランスビュー)。古代伝承研究本『名草戸畔 古代紀国の女王伝説』(スタジオM.O.G)。毎日新聞・大阪本社版連載童話『貝がらの森』(スタジオM.O.G)。物語創作、伝承研究、絵画、イラスト制作などを通して日夜、独自の視点でモノノケの世界の本質を探求している。