日本全国の街角をエッセイでつなぐ、この企画。3つのレーンで次々とバトン(テーマ)を変えて、次のエリアへとリレーしていきます。第9回は、福井、大阪、広島が参加します。
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全国のローカルメディアがエッセイでリレーするこの企画。福井からは、ローカルライフマガジン『月刊fu』、ポータルサイト『ふーぽ』の川端がお届けします。
京都からもらったバトンは
「福井の謎」。
謎といえば、不思議。
ということで、福井の不思議について、お話しましょう。最近福井は、妖怪や奇妙な話“奇談”で盛り上がっています。
「奇談プロジェクト」は、福井に残された古文書や口承から、妖怪や奇妙な話を現代によみがえらせる文化プロジェクトです。
長年、日本の妖怪文化を研究し国内外へ広く伝え、“妖怪絵師”として活動する米国出身のイラストレーター、マット・マイヤーさん(福井県在住)。そのマットさんと、福井県文書館職員で歴史研究者の長野栄俊さんを中心として2025年に始動しました。
福井に伝わる独特な妖怪や不思議な出来事に魅せられ、「現代の物語やアートとして残したい」という思いが込められています。

2025年11月には奇談プロジェクトの世界が体験できる「THE 奇談絵師マット・マイヤーの世界」が開催。『月刊fu』『ふーぽ』編集部を運営するfuプロダクションが、グッズ制作を担当しました。

奇談クリアファイル[火の鶏](左)と[イッパクの霊 -御隅櫓の怪異-]

妖缶[女の妄念 -越前のろくろ首-](左)と[宮守の妖]
自称クリアファイル収集家の私・川端のお気に入りは、あやしさ漂うクリアファイルと、マットな手触りがすてきな妖缶(ようかん–ダジャレ)です。
デスクや部屋に置いておくと、たまにギョッとして刺激的です。
ほかにも扇子やてぬぐいなどたくさんのアイテムを、《妖怪ラボ 公式オンラインショップ》で取り扱っています。
全日空の機内誌『翼の王国』で連載中の「ニッポン47妖怪さんぽ」にも福井の妖怪が登場。
立体造形家の森井ユカさんが、47都道府県の妖怪を探しながら、その妖怪にちなんだ食を訪ねるという旅エッセイです。

森井さんが伝承に独自の解釈を加えて樹脂粘土で制作。急須化け物と湯呑み化け物は舎弟だそう(笑)
福井は、「ぼた餅化物(ぼたもちばけもの)」。
むかーしむかし、福井県鯖江市の農家の床下から声が聞こえたという伝承の、世にもおいしそうな妖怪です。
ちなみに、京都は「妖獣 件(くだん)」、大阪は「一寸法師」、和歌山「送り雀」、長崎「味噌五郎」、広島はこれから登場(26年1月時点)とのこと。
最後は、福井を代表する妖怪(というか人間…?)「八百比丘尼(はっぴゃくびくに)」で締めましょう。
「人魚の肉を食べて不老不死となった女性が尼僧となり、諸国を旅した」という伝説が全国各地に伝わっています。
一説には、八百比丘尼が800歳の時に福井県小浜市で生涯を終えたとされ、同市の空印寺境内には、その最期の場所といわれる洞窟「八百比丘尼入定洞」が…。
一方で、若狭生まれだという話など、諸説あり。
その土地の風習や文化と深く結びついた、奇談。
紐解いていくと、何だかユーモラスで、親しみや共感が持てるものもあって、興味をそそられます。
と言っても、本当にその姿を目にしたら怖いんですけどね。
次回は、広島にバトンを渡します。
お題は、「私的・広島の偉人」。
歴史上の人物でも、アニメのキャラでも、行きつけの喫茶店のマスターでもOK。
沖本さんが敬愛する人物、紹介してください。
街角リレーエッセイ 参加メディア
京都 ハンケイ500m
https://hankei500.com/
大阪 SAVVY
https://savvy.jp/
長崎 ながさきプレス
https://www.nagasaki-press.com/
広島 Wink
https://wink-jaken.com/
福井 ふーぽ
https://fupo.jp/
和歌山 もっと和歌山
https://www.agasus.com/