第2回 車庫前系、井出系、なにそれ?

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Posted by matsumoto at 9:26 PM JST
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おいしいラーメンのお店情報を期待していた人、すみません。

のっけから前回の話を否定するようでなんだが、地元民(特にオールドファン)は「車庫前系」「井出系」などと呼ばない。
「醤油濃いなぁ」「いまいちパンチ足らん」「こってりしてるわ」など、中華そばの味わいでそれがどんな素性の中華そばであるか、身体で認識した上で、地元 民はお互いに通じ合えるのだ。以前、麺食いの友人が「これって井出系やろぉ?」としたり顔で言って来た時は、わかってて言いやがって嫌みなやっちゃとおで こめがけてコンパチしたった。そう名付けたのは自分たちちゃうねんけどなぁ。確かに「車庫前系」「井出系」とカテゴライズした方がブランドとして売りやす いし、消費者に対しては明確なんだが、居心地は悪い。昔から食べている自分たちにとっては「なにを今さら」なんである。

とは言え、我がアガサスでも、中華そばの分類は行った。それは今から8年前、アガサス初代編集長指揮の元で中華そばの別冊を出そうという時期。そう、和歌山ラーメンブーム真っ盛りだった頃だ(「和歌山ラーメン」という呼び方にも違和感を覚えるが)。
この時は、豚骨醤油味の中華そばを「しょうゆメイン」(車庫前系)、「とんこつメイン」(井出系)の2タイプに統一した。地元で呼ぶならこの名称であるな と、今思えばなるほどと思う。以降、月刊アガサスで自分が編集に携わった中華そば特集や別冊でも「しょうゆメイン」「とんこつメイン」という呼び名を踏襲 し、意識的に「車庫前系」「井出系」は使わなかった。

困ったのは、首都圏の出版社から中華そばに関してコメントを求められた時。彼らは車庫前系だの井出系だの、地元では使わないフレーズばかり投げかけて来る。
「地元ではそう呼んでいない」と前置きをした上で答えていたのだが、結局誌面上では「車庫前系」「井出系」となっている。誌面の編集方針もあるだろうから 仕方がないのだが、圧力に屈したようでなんだか悔しい(そんな大層な)。昔から中華そばをすすっている、地元のいちファンとしてそこは譲れないのだ。まぁ 中華そばを作っている当事者のご主人たちは「そんなんどっちゃでもええわ」と思っているかもしれんけど。

というわけで、アナタは「いつもの中華」を、車庫前系、井出系と呼びますか?