チャレンジャー第1回ゲスト4

 

第1回ゲスト

 
 

写真   

井原万見子 さん

日高川町初湯川
イハラ・ハートショップ店長

影響をうけた本ベスト3
1:「お話 おとなから子どもへ子どもからおとなへ」 
(東京子ども図書館編)
2:「菊地君の本屋」(永江朗著)
3:「たたかう書店」(青田恵一著)

 

 

 Vol.1 Vol.2 Vol.3 Vol.4  

Vol.4 可能性とハート、プライスレス

 

今年10月、店の最寄バス停からの路線バスが一部減少した。過疎から周りを取り巻く環境は生活を直撃している。でも「今いる立ち位置でできることをしていきたい」と井原さんはきっぱり言う。最初から村人が、子どもが多かったわけじゃない。そのなかで本屋が成立し、イベントの成功を収めてきた。「時間がかかるけれど、言い続けたこと、やり続けたことは必ずかなう」これが井原さんが身をもって子ども達に伝え続けているメッセージだ。

臨時休業をとった日の後、近所のおばあちゃんがこう言った。「あんたとこが閉まってると寂しいわ」。3人の子を持つ母親として、時には臨時休業も致し方ない。とはいえ、この一言で井原さんは水曜以外をできる限り休まないよう、一層心がけるようになった。人口で計れない、店の存在意義がここにある。
井原さんは言う。「地元の子が少ないだとか、そんなこと問題じゃないのよ。『熱意で読者を開拓する』という本屋さんの話を業界紙で読んだことがあるの。すべては本から始まっている。可能性がなくなることってない。本の力ってスゴイよ!」。実感のこもった言葉だった。
雑誌や新聞の取材記者、掲載誌を見てきてくれた客…本を通じたさまざまな出会いを経て、井原さんが少し前に出会ったのが福嶋聡著「希望の書店論」。手話通訳のあるトークセッションを行った著者の話に感銘を受け、本を必要とする子ども達の立場を考え始めた。
どんな子にも本に親しむ機会を作り、選択肢を広げてあげたい。それは地元だけの中の話でもなく、本当の意味で「誰でも」だ。
「でもやることがゆっくりだから、ぼんやり考え出してから3年はかかるからねー」というと、悪戯っ子のようにニヤリと笑った。きっと井原さんの頭のなかには既に実現図が思い描かれているに違いない。


取材を終え、店内を撮影しているとカメラの電池が危うくなった。別のカメラもあったのだが、試しに「こちらに単3電池ってありますか?」と聞いてみた。思ったとおり、当たり前のように電池の入った箱が登場。この何気なさに、改めて感服しつつも、つい吹き出してしまった。
山の中という環境のせいか、井原さんの人柄のなせる業か。ここに来るとじわりと心があったまる気がするのは、きっと気のせいじゃないだろう。ちょっとぶらりとプチドライブを楽しみたいとき、近くの温泉や山びこスポットに加えて、ほっこり気分を味わいに行くというのはいかがなものか?


 

山の本屋 イハラ・ハートショップ
日高郡日高川町初湯川213-299
TEL/FAX 0738-57-0086
http://www5.ocn.ne.jp/~i-heart/
営 10:00~18:00
休 水曜※臨時休業の場合あり

 

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