チャレンジャー第1回ゲスト3

 

第1回ゲスト

 
 

写真   

井原万見子 さん

日高川町初湯川
イハラ・ハートショップ店長

影響をうけた本ベスト3
1:「お話 おとなから子どもへ子どもからおとなへ」 
(東京子ども図書館編)
2:「菊地君の本屋」(永江朗著)
3:「たたかう書店」(青田恵一著)

 

 

 Vol.1 Vol.2 Vol.3 Vol.4  

Vol.3 いま伝えたいのは…

 

子どものころはさぞかし本に親しんでいたのだろう…と思うと、驚きの返答。実は井原さんは本好き少女だったわけではなかった。
幼少時、村には学校の図書室か児童館にしか本はなかった。家にあったのは百科事典ぐらいで、あとは父親が枕元に置いた本や雑誌を見かけたぐらい。残るは、とにかく自然。本というよりは空を見上げ、雲や星を眺めるのが好きな子どもだったという。
眺めるというよりも、見つめる、という表現が正しいか。いったん興味を示すとは、じっと集中する性分なのだそう。その対象が、いまはすっかり本になっている。

そんな風に幼少時は本と接してこなかった井原さんが、いまは子どもと本との出会いを積極的に勧めている。その背景には、辛い記憶があった。
高校の部活友達というだけでなく隣の中津村(現日高川町)に嫁ぎ、同じ年頃の子どもを持つ母親同士だったHさんが、ある時ハートショップを訪れ「私、入院するのよ」と宣言した。
後に知った病名は、乳がんだった。
闘病の末に亡くなった彼女に対し、何もできなかった悔しさや虚しさ。
遺された子ども達や同じような境遇の子に対して、本屋としてできることはないか。
様々な想いが巡るなか、病室で、Hさんが菊田まりこ著「いつでも会える」(学研)を取り寄せたと話していたことを思い出した。それは、大好きな飼い主を突然亡くした犬のシロの心の移ろいが描かれた絵本。彼女から遺していく子どもへのメッセージでもあった。
この経験を通し、井原さんは児童書や絵本で「生きる力を伝えられる」と実感。「生きていたって子ども達に伝えられるものは限られている。辛いとき、何か子ども達の味方になってくれる本を残してあげられたら」と、店のメイン商品として扱うことを決めた。

店の一角にはムーミンのイスが置かれたおもちゃコーナーがある。子ども達はここで遊び、ここで菓子を買い、ここで本と出会う。井原さんの子どものころにはなかった“自然に絵本と出会える環境”は、井原さんの手によって確かに出来上がりつつある。

NEXT→Vol.4(最終回)可能性とハート、プライスレス

 


 

山の本屋 イハラ・ハートショップ
日高郡日高川町初湯川213-299
TEL/FAX 0738-57-0086
http://www5.ocn.ne.jp/~i-heart/
営 10:00~18:00
休 水曜※臨時休業の場合あり

 

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