チャレンジャー第4回ゲスト1

 

第4回ゲスト

 
 

写真   

高垣淳一 さん

有田川町小川
高垣酒造(株)杜氏

好きな酒ベスト3
1:日本酒
2:ビール
3:泡盛

 

 

 Vol.1 Vol.2 Vol.3 Vol.4  

Vol.1 和歌山最古の酒蔵杜氏

 

「小坊主」を連想させる丸刈りに人当たりのよい柔和な笑顔。口を開くと、思った以上に気さくなトークが繰り広げられる。笑うと目がなくなることを気にするが、その細目の笑顔が可愛らしいと思った私は失礼だろうか。

高垣さんが8代目となり切り盛りする、有田川町(旧金屋町)にある小さな造り酒屋「高垣酒造」は、人気コミック「もやしもん」で紹介されたことをきっかけに、全国にファンを持つ人気の酒蔵となった。「もやしもん」と聞いて「龍神丸」とくれば、ピンと来る人は多い。ただし、人気の種こそ「もやしもん」にあるものの、実際は大手メーカーでの安定を捨て、故郷のために酒を造ることを選んだ高垣さんの郷土愛こそが、短期間で芽吹き、実を結んだ一番の理由だ。

創業は天保11年。現在稼動している酒蔵では県内で最も古い蔵で、看板商品「紀勢鶴」は旧国鉄の紀勢線が部分開通した際に造ったということからも、その歴史が窺える。
そんな伝統ある酒蔵で生まれ育った高垣さんだったが、跡を継ぐ気はなかったという。お酒の味を覚えると同時に醸造に興味を持ったものの、大学卒業後は灘の大手酒造メーカーに入社。骨を埋めるつもりの就職だった。当時の人事担当者が酒蔵の息子と知り「腰掛就職ではないか」と蔵の視察に訪れた。蔵の古さを見て「ここなら潰れるな」と採用を決めたというのも、いまでは笑いの種だ。
だが、いざ蔵人がいなくなり、酒蔵を続けていけなくなるという瀬戸際に立たされたとき、高垣さんの脳裏に浮かんだのは、帰省のたびに「紀勢鶴は一番うまい」と喜んでくれる地域の人たちの笑顔だった。
「僕が帰らないと、あの笑顔がなくなる」。苦渋の選択を迫られた結果、「高垣酒造」の名を守ることを選んだ。

その決断から14年。酒造りは気候条件や米質、水などに左右されるデリケートな作業。最初はうまくいかず「灘でできたことが何故できないのか」と悩んだが、体で覚えながら仕込みを調整していった。いまでは7銘柄100アイテム超のお酒を造る立派な杜氏に。だが「毎年が1年生。スポーツや芸術と同じでゴールのないもの」と、決して満足しない。この常に挑戦し続ける姿勢が高垣酒造を支えているといっても過言ではないだろう。

 

 NEXT→Vol.2「もやしもんと高垣酒造」(仮)

 


 

高垣酒造(株)
有田川町小川1465
TEL/0737-34-2109
FAX/0737-34-3052
http://www.kinosake.jp

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