──王家の一族による史上最大の愛憎劇
中国、五代十国、後唐の時代。王との関係が、とうの昔に冷えきっていた王妃は継子である皇太子と長年に渡って不義の関係を続けていた。一方、王は病気がちな王妃をことさらに気遣い、腹心の宮廷医に命じて”特別な薬“を調合して飲ませていた…。
ギリシャの哲学者・ソクラテスは、知恵者と評判の人物との対話を通し、自分の知識が完全ではないことに気づいている。無知であることを知っている点において、知恵者と自認する相手より僅かに優れている、と考えたのだ。今回紹介する『王妃の紋章』の登場人物たちも、何かを知っているものの、何かを知らないのである。長男は義母の計画を知っていたが、”特別な薬“のことは知らなかった。次男は母の計画や特別な薬のことを知っていたが、兄と母の不義を知らなかった。三男は兄と母の不義を知っていたが、他のことは知らなかった。王妃はいろいろなことを知っていたが、自分と義息との不義に王が気づいていることを知らなかった。王は、何もかもを知っているようで、何も知らなかった…。ソクラテスが言うように、知っていることが相手よりも優れているのかというと、わからない。優れていることが幸せとは限らないし、知らないからこその幸せもあるのだから。チャン・イーモウ監督が”知らない部分“をスパイスに王家の一族をどんな運命に導くのか、その結末に無知ではきっと後悔するぞ!
監督 チャン・イーモウ
出演 チョウ・ユンファ、コン・リー、ジェイ・チョウ 他
○C Film Partner International Inc.